紹介:詩人秋野さち子(従叔母)の詩

金子みすゞと同世代の西城八十門下の詩人の詩を紹介

2021-01-22から1日間の記事一覧

詩人秋野さち子の詩 Ⅳ(1972~1983)

「入り江に」 一本の樹が燃えつづけている森へ 心は傾いてゆくだけだ 道は腸のように曲がりくねっているが ゆきつくのは炎の樹 炎はくさび形にゆらめいて 血液の襞にするりとすべり込み 咽喉の奥に蠢いている 白い棘をひきぬいてくれる 海がひらけてきた 夕…