紹介:詩人秋野さち子(従叔母)の詩

金子みすゞと同世代の西城八十門下の詩人の詩を紹介

2021-01-23から1日間の記事一覧

Ⅲ(1956-1968)より「塀」

「塀」 塀にそって歩いてゆく 長い塀 角をまわって塀はつづく 塀には落書きがしてある 爪あとがある ペンキがぬりたくってある それを撫でて歩いていると ふと 塀にばかり添って歩いていることを忘れている時がある このかこまれた塀の中は ひとまわりしてま…