2021-02-03 '21-2-3日 詩集「夕茜の空に」より 下弦の月 朝明けの青い空にくっきり浮いている半かけの月弦を右にして少し上向きの横顔はやがてその弦をかきならし真昼の海原に燃える口づけをするのか 深夜の空に昇りはじめる時その弦には今日の詩がすでに籠められているのか未来も過去も一目で見渡せる宇宙の高みから諍いの続く地球への呼びかけは何か 朝明けの青い空に弦を傾けて口ずさんでいる聞こえないその詩に耳をすませる 人はあなたを有明の月と呼ぶ